新旧交代

 

 

夫が退院すると同時に

リフォーム会社が決まり

 

 

それからというもの

来る日も来る日も

母屋の片づけをしています。

 

 

次の入院が3日後で

 

そこから3か月は

病院から一歩も出られないので

 

何としてもそれまでに

家の中を

空にしておかなければいけません。

 

 

 

タンスや戸棚の引出しを開け

物を引っ張り出し

 

残しておくものと

そうでない物に分け

 

ゴミは分別して

それぞれの袋に入れ

 

一つの部屋が済んだら

また別の部屋へ

 

そんなふうに片付けをしていたら

 

とにかく物が多く

 

後から後から物が湧いてくるようで

 

 

あっという間に

 

不用品で一杯になった

ビニール袋の山が

床を埋め尽くします。

 

 

そう。

義母は昔の人にありがちな

物が捨てられない人で

 

 

何十年も使われた形跡のない

鍋・タッパー・食器・かご

保存容器・紙類・毛布といった物が

 

隙間と言う隙間から

出てくるのです。

 

 

広い家にひとり

質素に暮らす義母にとって

 

しまっておく場所があるのに

わざわざ捨てる発想は

なかったのでしょう。

 

 

 

私たちは

そんな義母の

生活の匂いが充満する家に

手を加え

 

大きく

生まれ変わらせる予定なのですが

 

 

やはり

 

今は施設に暮らす義母にとって

リフォームは喜ばしくないようで

 

 

許可はくれたものの

 

頑として

家に帰るとは言ってくれず

 

段差がなくなって

住みやすくなるから

見に来てと誘っても

 

足が悪いから行けない

の一点張り。 

 

 

きっと

 

変化は仕方がない

とあきらめつつも

 

住み慣れた家が

変わっていく様を

見たくないのでしょう。

 

 

だから

 

これ以上

義母にこの話をするのは

やめておきますが

 

 

それとは別に

 

母屋をこのまま放っておくより

 

住みやすく復活させて

誰かが住んだ方が

 

ご先祖のためにも

あの家のためにもなる

 

私たちはそう信じています。

 

 

 

リフォーム会社と契約を交わす際

 

アシスタントの若い女性と

欄間を再利用できないか

雑談していたら

 

見つけてもらいました。

 

 

飾りとして

壁に互い違いにはめ込んだり

天井の照明器具の蓋として

使う方法を。

 

 

先人のあの家に対する

こだわりの一部を

 

残す方法が見つかったのです。

 

 

このことで

また背中を押してもらえたような

気持ちになりました。